緊張とどう付き合うか
内川:今ちょうど話にでてきたけど、緊張ってどう思う?
福田:緊張をしないと集中があまりできないと思いますね。だけど、極度の緊張はやっぱりすごい。ゴルファーだけでなく、野球選手もそうだと思いますが、そういう場面に来た時にあるじゃないですか。「うぅ…」って。そういう気持ちを経験できるのは、そういう場面じゃないとできない! と思って、感謝しながら回るという気持ちもありますね。
内川:「緊張しています」って言うとさ、「大丈夫だよ! いつもやってきているんだから!」とか、「落ち着け、落ち着け」みたいな声をもらうことが多いじゃん? 「普段通りやれば大丈夫だ」みたいなこと言うんだけど、「普段通りじゃないから緊張してるんだし! こっちは!!」というのが正直な感想なのね。
逆に言えば、「普段通りだったら普段通りの力しか出ないじゃん!」という風に思っているのね、僕は。だったら緊張している自分を受け入れて、緊張しているままやっちゃったらその緊張がプラスになることあるんじゃないの? って思っている。だから、緊張ってそんなに悪いものでもないと思うし。むしろ緊張しないやつはうらやましいとは思うけど、自分の力しか出せないんだなって思っちゃうような気はする。自分以上のものを出せたほうがいいんじゃないかな、と思っているんだよね。でも、慣れないよね。緊張に慣れないでしょ?
福田:内川さんでも緊張するんだから、皆さんやっぱり、緊張を楽しまないとってことですよね。
内川:なんで僕が基準になってんだよ!(笑)。 いや、やっぱり緊張するよ。毎試合はもちろん、世界大会、WBCとかも出させてもらったけど、気分が悪くなったりもしたし。どうしても「なんかダメだ…。体調悪いな」と思うこともいっぱいあったから。
福田:えー! そうなんですか?!
内川:よくあるよ。緊張を受け入れるためにはってよく聞くけど、もう極度の緊張になると、自分がどうしていいか分からない時ってあるじゃない? どうやって打っているかわからない、とか。究極、もう本当に子供の緊張なんて手と足が一緒に動いちゃうみたいな。何をやっているのかわからないみたいな状況って大人になっても多分あると思うんだよね。
その時に生きるのが、多分練習じゃないかな。自分の意識がなくても「体が勝手にこう動きますよ」ということが一番大事なことだと思っているから。だから、必然的に練習する量とかも増えるんだろうし、いろんなアプローチ、いろんな方向から自分自身の動きを作りたいというのは、そういうところにあるような気はするけどね。訳が分からなくなった時に自分がきちんと動けるという自信、あれば、緊張って自然と自分の中で受け入れられる部分はあるかなという気はするけどね。
福田:確かにそうですよね。そう考えると日頃の練習とかでも同じように、なるべくリズムとか崩さないようにという意識はありますね。
内川:それが、本当に困った時に一番助けてくれる要素になるんじゃないかなという気はしている。福田プロとオフに回った時も見て思ったけど、スイッチ入ったなって瞬間があるもんね。最後に回った時かな。前半「37」だったのに、後半「32」で回ってきていたじゃん。
福田:ははは(笑)。そうでしたね!
内川:「おいおい、1オーバー?」なんて冗談で言っていたら、「わかりました。後半ちょっといきます」って言って。本当に「32」で回ってきちゃった。そういうのが、自分が何をやってもうまくいく、みたいな状況なんだと思う。だから見ていて、プロとしてなんかいいなという気はしたね。
■2人のゾーンに入った時の感覚は?
福田:なるほど。内川さんもシーズンの中でそういう“ゾーン”入る時ありますか?
内川:シーズンの中でもそうだし、試合の中でも打席の中である時はあるよ。
福田:なんか景色とか雰囲気で、“なんか”あるって言いますよね。
内川:「あ、今日ちょっとなんか違うな」という時もあれば「今日絶対いけるわ」という時もあるし。
福田:ゴルフもなんか似ています。
内川:初めて首位打者取った時(2008年)は、もう本当に「ここにこういうボールが来て、ここでこうやって打ったら、あそこにホームランになる」というところまで見えた打席とかもあった。それから12年経つけど、その一回きりだね。それをずっと、いつかまたそういう感情になりたいなということを、ずっと追いかけているところはあるよね。
福田:なるほど! 確かに私のパターが入るのと一緒ですよね。見えるというか。
内川:言うもんね。打つ前に「あ、これ入ります」って。だからそういう感覚というのはやっぱりあるかな。
福田:やっぱりあるんですね、皆さん。
内川:結構ね、いろんな競技で“ゾーン”って呼ばれるものというのはあるみたいだね。いろんな人に話を聞いたけど、例えばスピードスケートでオリンピックに出た大菅小百合さんは自分が滑る線が光っているんだって。「ここを滑って行ったら記録が出るというのが見えた」って言っていた。そういうのはやっぱりどんな競技でもあるんだろうなって思って。サッカーとかだと相手の動きが全部止まって見える、とか。
福田:おもしろいですね!!
内川:我々も行きつくまで頑張らないと。
福田:そうですね! 今年は1回でも多くゾーンに入れるようにしないと。
内川:まだまだやらなきゃいけないこといっぱいあるなって思うよね。
福田:緊張をしないと集中があまりできないと思いますね。だけど、極度の緊張はやっぱりすごい。ゴルファーだけでなく、野球選手もそうだと思いますが、そういう場面に来た時にあるじゃないですか。「うぅ…」って。そういう気持ちを経験できるのは、そういう場面じゃないとできない! と思って、感謝しながら回るという気持ちもありますね。
内川:「緊張しています」って言うとさ、「大丈夫だよ! いつもやってきているんだから!」とか、「落ち着け、落ち着け」みたいな声をもらうことが多いじゃん? 「普段通りやれば大丈夫だ」みたいなこと言うんだけど、「普段通りじゃないから緊張してるんだし! こっちは!!」というのが正直な感想なのね。
逆に言えば、「普段通りだったら普段通りの力しか出ないじゃん!」という風に思っているのね、僕は。だったら緊張している自分を受け入れて、緊張しているままやっちゃったらその緊張がプラスになることあるんじゃないの? って思っている。だから、緊張ってそんなに悪いものでもないと思うし。むしろ緊張しないやつはうらやましいとは思うけど、自分の力しか出せないんだなって思っちゃうような気はする。自分以上のものを出せたほうがいいんじゃないかな、と思っているんだよね。でも、慣れないよね。緊張に慣れないでしょ?
福田:内川さんでも緊張するんだから、皆さんやっぱり、緊張を楽しまないとってことですよね。
内川:なんで僕が基準になってんだよ!(笑)。 いや、やっぱり緊張するよ。毎試合はもちろん、世界大会、WBCとかも出させてもらったけど、気分が悪くなったりもしたし。どうしても「なんかダメだ…。体調悪いな」と思うこともいっぱいあったから。
福田:えー! そうなんですか?!
内川:よくあるよ。緊張を受け入れるためにはってよく聞くけど、もう極度の緊張になると、自分がどうしていいか分からない時ってあるじゃない? どうやって打っているかわからない、とか。究極、もう本当に子供の緊張なんて手と足が一緒に動いちゃうみたいな。何をやっているのかわからないみたいな状況って大人になっても多分あると思うんだよね。
その時に生きるのが、多分練習じゃないかな。自分の意識がなくても「体が勝手にこう動きますよ」ということが一番大事なことだと思っているから。だから、必然的に練習する量とかも増えるんだろうし、いろんなアプローチ、いろんな方向から自分自身の動きを作りたいというのは、そういうところにあるような気はするけどね。訳が分からなくなった時に自分がきちんと動けるという自信、あれば、緊張って自然と自分の中で受け入れられる部分はあるかなという気はするけどね。
福田:確かにそうですよね。そう考えると日頃の練習とかでも同じように、なるべくリズムとか崩さないようにという意識はありますね。
内川:それが、本当に困った時に一番助けてくれる要素になるんじゃないかなという気はしている。福田プロとオフに回った時も見て思ったけど、スイッチ入ったなって瞬間があるもんね。最後に回った時かな。前半「37」だったのに、後半「32」で回ってきていたじゃん。
福田:ははは(笑)。そうでしたね!
内川:「おいおい、1オーバー?」なんて冗談で言っていたら、「わかりました。後半ちょっといきます」って言って。本当に「32」で回ってきちゃった。そういうのが、自分が何をやってもうまくいく、みたいな状況なんだと思う。だから見ていて、プロとしてなんかいいなという気はしたね。
■2人のゾーンに入った時の感覚は?
福田:なるほど。内川さんもシーズンの中でそういう“ゾーン”入る時ありますか?
内川:シーズンの中でもそうだし、試合の中でも打席の中である時はあるよ。
福田:なんか景色とか雰囲気で、“なんか”あるって言いますよね。
内川:「あ、今日ちょっとなんか違うな」という時もあれば「今日絶対いけるわ」という時もあるし。
福田:ゴルフもなんか似ています。
内川:初めて首位打者取った時(2008年)は、もう本当に「ここにこういうボールが来て、ここでこうやって打ったら、あそこにホームランになる」というところまで見えた打席とかもあった。それから12年経つけど、その一回きりだね。それをずっと、いつかまたそういう感情になりたいなということを、ずっと追いかけているところはあるよね。
福田:なるほど! 確かに私のパターが入るのと一緒ですよね。見えるというか。
内川:言うもんね。打つ前に「あ、これ入ります」って。だからそういう感覚というのはやっぱりあるかな。
福田:やっぱりあるんですね、皆さん。
内川:結構ね、いろんな競技で“ゾーン”って呼ばれるものというのはあるみたいだね。いろんな人に話を聞いたけど、例えばスピードスケートでオリンピックに出た大菅小百合さんは自分が滑る線が光っているんだって。「ここを滑って行ったら記録が出るというのが見えた」って言っていた。そういうのはやっぱりどんな競技でもあるんだろうなって思って。サッカーとかだと相手の動きが全部止まって見える、とか。
福田:おもしろいですね!!
内川:我々も行きつくまで頑張らないと。
福田:そうですね! 今年は1回でも多くゾーンに入れるようにしないと。
内川:まだまだやらなきゃいけないこといっぱいあるなって思うよね。