自粛期間の過ごし方
内川:次のテーマはコロナで自粛中の過ごし方ですが…。結構、お互い連絡取り合っていたよね?
福田:あ、そうです! 内川さんから連絡いただいて。
内川:野球界しか知らないから、他の競技の人はみんなこの期間どうしてるんだろうなって気になったりしていたよね。だから、いろいろ話は聞いてはいたけど、改めてどう過ごしていた?
福田:私が拠点としている福岡は練習場が開いていました。もちろん、練習場もコースも普段通りではないですけど。コースでのラウンドはスループレーで早く回ったりとか、茶店に行かないとか、そういう対策は全部やっていました。なるべく人と会わないようにして。でも練習はしっかり、普段通りできていましたね。
内川:そうなんだね。ただ、試合がなかなかないというのは精神的に大変でしょ? どこに向かって頑張ったらいいんだろうな、みたいな気持ちになるのもあるよね。
福田:ありますよね。あまりにもどんどん、世の中が目まぐるしく変わっていっていたので、どうなっていくんだろう、という不安もありました。もう、スポーツ以前に、大丈夫なのかな…、という心配がすごくありますよね。内川さんは練習とかどうでした?
内川:ホークスの場合は、最初は…、どのくらいかな、10日弱くらいは外出禁止かな。禁止というか、外出を自粛してくれという期間があったから、その時はもう本当に自分の家の中でできることしかできなかった。ランニングとかはいいですよというのはいわれていたから、自分で人がいないところを走ったりだとかというくらいしか正直できなかったんだけど。球団の方がPayPayドーム、もしくは2軍の筑後の施設は使っていいという許可を出してくれたから、その点でいえば、練習は自分がやろうとしていることはできたなという気はするんだけど。いいよっていわれているぶん、自分がなんかコロナウイルスになるわけにはいかないという責任も大きかったよね。
福田:それは、本当に思いました。野球界も感染者が出たのをニュースで見ていたので、もう身近にすごく感じていて。絶対になってはいけないと思っていました。その危機感がありましたよね。
内川:そう。だからなんか、常に緊張して生活しなきゃいけないという感覚はしていたし、今まで野球が普通にできるという中でずっと来ていたから、コロナウイルスにかかってはいけないという緊張感は持っていた。だけど、“勝負をする”という気持ちのスイッチが入っていないから、すごい自分の中で違和感あったよね。なんだこの感覚って。
福田:難しかったですよね。確かにそれはありますよね。
内川:ただ、野球ができるということが本当に幸せなことだな、と思ったよね。テレビとか見ているといろんなことを決断しなきゃいけない、いろんなことを決めなきゃいけないという仕事はやっぱり大変だなって改めて思ったし、医療に関わる人たちがいろんなことをしてくれているというのを見ると、僕らが悩んでいることはそんな大したことじゃないなって正直思ったね。僕らの感覚なんて、そういう人たちから比べたらそんな大したことじゃないなって思ったから。
福田:そうですよね。本当に当たり前に感謝しないといけないと思いました。
内川:これまでも、分かってはいるつもりなんだけどというのが多かったね。当たり前じゃないんだって思ってはいたんだけど、余計に思わされたというか。そういう期間にはなったよね。
野球も6月19日開幕ってことが決定した。当分は無観客の中で試合が行われるとは思うんだけど、でもやっぱり開幕してシーズンが始まるという日が決まって目標みたいなものも出てきているし、なんかそれは本当にありがたいことだな、と思うと同時に、野球が始まったことでどの競技も、よし、始めよう! という気持ちになってくれるといいなというのは思うよね。
福田:そうですよね。野球が決まって、いよいよスポーツ界が始まる! という感じがすごくしました。
内川:うん。だから、こういう状況の中で、悶々としていたものはいい方向に爆発してくれるといいなという風には思う。
福田:そうですよねー! やっぱり最初無観客で違和感があると思うんですけど、テレビとかで皆さん絶対待っていると思うので頑張りたいですね。
内川:いや! 違和感あるよ! 違和感しかないよ…、むしろ(笑)。
福田:そうですよね、違和感しかないですよね(笑)。
内川:紅白戦とかもやっただけど、基本的に紅白戦やる時だってファンの皆さんはキャンプ以外は入っていたから。
福田:あー! そうですよね!
内川:そう。だから別に紅白戦をやることにファンの方が入っていないことに違和感はあまりないんだけど、開幕戦もこんな感じなんだよねという風になってくると、それはやっぱり違和感だよね。
福田:違いますよね。確かになんか、広いからなおさら全部、音も響きそうですよね。
内川:めっちゃ響くと思う。声出しているのとかも聞こえるしね。だからベンチの声もはっきり聞こえるだろうし。
福田:全然違いますね。ゴルフも無観客でやるみたいです。なので、(歓声にこたえる感じで)クセで頭を下げちゃいそうになる、みたいな変な感じです(笑)。
内川:ははは(笑)。でも、おそらくテレビとかその他いろんな媒体でプレーを見てくれる人がたくさんいるはずだし。
福田:そうですよね! 頑張るしかないですね。
内川:ねー。そう。だから僕も今年38歳になる年だから、なんとかもう一回、もう一回というか、長く現役を続けるために頑張らなきゃいけないな、という年にもなると思うし、これだけやっぱりなかなか始まらないという状況になってくるとファンの皆さんもいつも以上に注目してくれると思うから。だからそういう人たちに少しでも喜んでもらえるといいな、と思うし。たぶん、無観客の状態で始まると、いかにその場の雰囲気を作ってくれたのがファンの皆さんだったのかということを感じるから、そういう人たちが今まで作ってくれた雰囲気というのをテレビなりラジオなり、いろんな媒体を通じて届けて、元気を与えられるようなプレーはしたいなという風には思う。
福田:そうですよね。私もやっぱり、去年以上に自分の中でたくさん、練習期間も長かったので、しっかりといいプレーを見せて、少しでも元気づけられるように一生懸命頑張りたいですね。
内川:頑張りたいよね。今年は。頑張る理由がたくさんあるというか。
福田:そうですよね! いつも以上に。
内川:そんな気がするね!
福田:気持ち入りますよね。
内川:でも、まさかあの1月の自主トレの時に僕ら2人がこんな公共の場で話すことになるとは思ってなかったよね(笑)。
福田:いや、本当に。そうですよね!(笑) 私もなんか去年の12月に「はじめまして」という感じでお話していただいたのに、すごい仲良くして下さって、本当にありがとうございます。
内川:いえいえ(笑)。いや、でも、頑張ろうって思える理由ができた、というか。もちろんゴルフはずっと好きだったし、オフの間は本当にゴルフ大好きで。実家に帰っても、正月も、年末年始、大分にいる間はほぼゴルフやっていますってくらいゴルフやってたから。だから本当に応援する人ができてよかった。またテレビ見ると感覚違うし。テレビの画面を通じて、遠くからヤジっとくから(笑)。「すかしてんじゃねーぞー!」って(笑)。
福田:いやいやいや(笑)。私もテレビで内川さんを応援しています。今回、合宿に参加させていただいて、これで結果が出せたら最高だな、と思うので、私もしっかり今年頑張ります!
内川:よろしくお願いしまーす! チーム内川の株を上げてください(笑)。
内川聖一(うちかわ・せいいち)/1982年8月4日生まれ、大分県出身。2000年にドラフト1位で横浜ベイスターズ入団、08年には右打者史上最高打率記録(.378)をマークするなど活躍。10年に福岡ソフトバンクホークスに移籍後も、巧みなバットコントロールを武器に優勝に何度も貢献している。18年5月9日にはNPB史上51人目の通算2000安打を達成、名球会入りを果たした。19年には自身初のゴールデングラブ賞に輝くなど、20年も攻守両面でチームを引っ張る。
福田真未(ふくだ・まみ)/1992年6月15日生まれ、福岡県出身。「全国高等学校ゴルフ選手権大会」連覇、ナショナルチーム入りなどアマチュア時代からその名をとどろかせていた。高校卒業後の2011年にプロテストに合格すると、17年11月の「伊藤園レディス」で初優勝。18年8月の「北海道Meijiカップ」でツアー2勝目を挙げた。19年は優勝こそなかったものの、6年連続のシード入りを果たしており、20年は更なる活躍が期待されている。
福田:あ、そうです! 内川さんから連絡いただいて。
内川:野球界しか知らないから、他の競技の人はみんなこの期間どうしてるんだろうなって気になったりしていたよね。だから、いろいろ話は聞いてはいたけど、改めてどう過ごしていた?
福田:私が拠点としている福岡は練習場が開いていました。もちろん、練習場もコースも普段通りではないですけど。コースでのラウンドはスループレーで早く回ったりとか、茶店に行かないとか、そういう対策は全部やっていました。なるべく人と会わないようにして。でも練習はしっかり、普段通りできていましたね。
内川:そうなんだね。ただ、試合がなかなかないというのは精神的に大変でしょ? どこに向かって頑張ったらいいんだろうな、みたいな気持ちになるのもあるよね。
福田:ありますよね。あまりにもどんどん、世の中が目まぐるしく変わっていっていたので、どうなっていくんだろう、という不安もありました。もう、スポーツ以前に、大丈夫なのかな…、という心配がすごくありますよね。内川さんは練習とかどうでした?
内川:ホークスの場合は、最初は…、どのくらいかな、10日弱くらいは外出禁止かな。禁止というか、外出を自粛してくれという期間があったから、その時はもう本当に自分の家の中でできることしかできなかった。ランニングとかはいいですよというのはいわれていたから、自分で人がいないところを走ったりだとかというくらいしか正直できなかったんだけど。球団の方がPayPayドーム、もしくは2軍の筑後の施設は使っていいという許可を出してくれたから、その点でいえば、練習は自分がやろうとしていることはできたなという気はするんだけど。いいよっていわれているぶん、自分がなんかコロナウイルスになるわけにはいかないという責任も大きかったよね。
福田:それは、本当に思いました。野球界も感染者が出たのをニュースで見ていたので、もう身近にすごく感じていて。絶対になってはいけないと思っていました。その危機感がありましたよね。
内川:そう。だからなんか、常に緊張して生活しなきゃいけないという感覚はしていたし、今まで野球が普通にできるという中でずっと来ていたから、コロナウイルスにかかってはいけないという緊張感は持っていた。だけど、“勝負をする”という気持ちのスイッチが入っていないから、すごい自分の中で違和感あったよね。なんだこの感覚って。
福田:難しかったですよね。確かにそれはありますよね。
内川:ただ、野球ができるということが本当に幸せなことだな、と思ったよね。テレビとか見ているといろんなことを決断しなきゃいけない、いろんなことを決めなきゃいけないという仕事はやっぱり大変だなって改めて思ったし、医療に関わる人たちがいろんなことをしてくれているというのを見ると、僕らが悩んでいることはそんな大したことじゃないなって正直思ったね。僕らの感覚なんて、そういう人たちから比べたらそんな大したことじゃないなって思ったから。
福田:そうですよね。本当に当たり前に感謝しないといけないと思いました。
内川:これまでも、分かってはいるつもりなんだけどというのが多かったね。当たり前じゃないんだって思ってはいたんだけど、余計に思わされたというか。そういう期間にはなったよね。
野球も6月19日開幕ってことが決定した。当分は無観客の中で試合が行われるとは思うんだけど、でもやっぱり開幕してシーズンが始まるという日が決まって目標みたいなものも出てきているし、なんかそれは本当にありがたいことだな、と思うと同時に、野球が始まったことでどの競技も、よし、始めよう! という気持ちになってくれるといいなというのは思うよね。
福田:そうですよね。野球が決まって、いよいよスポーツ界が始まる! という感じがすごくしました。
内川:うん。だから、こういう状況の中で、悶々としていたものはいい方向に爆発してくれるといいなという風には思う。
福田:そうですよねー! やっぱり最初無観客で違和感があると思うんですけど、テレビとかで皆さん絶対待っていると思うので頑張りたいですね。
内川:いや! 違和感あるよ! 違和感しかないよ…、むしろ(笑)。
福田:そうですよね、違和感しかないですよね(笑)。
内川:紅白戦とかもやっただけど、基本的に紅白戦やる時だってファンの皆さんはキャンプ以外は入っていたから。
福田:あー! そうですよね!
内川:そう。だから別に紅白戦をやることにファンの方が入っていないことに違和感はあまりないんだけど、開幕戦もこんな感じなんだよねという風になってくると、それはやっぱり違和感だよね。
福田:違いますよね。確かになんか、広いからなおさら全部、音も響きそうですよね。
内川:めっちゃ響くと思う。声出しているのとかも聞こえるしね。だからベンチの声もはっきり聞こえるだろうし。
福田:全然違いますね。ゴルフも無観客でやるみたいです。なので、(歓声にこたえる感じで)クセで頭を下げちゃいそうになる、みたいな変な感じです(笑)。
内川:ははは(笑)。でも、おそらくテレビとかその他いろんな媒体でプレーを見てくれる人がたくさんいるはずだし。
福田:そうですよね! 頑張るしかないですね。
内川:ねー。そう。だから僕も今年38歳になる年だから、なんとかもう一回、もう一回というか、長く現役を続けるために頑張らなきゃいけないな、という年にもなると思うし、これだけやっぱりなかなか始まらないという状況になってくるとファンの皆さんもいつも以上に注目してくれると思うから。だからそういう人たちに少しでも喜んでもらえるといいな、と思うし。たぶん、無観客の状態で始まると、いかにその場の雰囲気を作ってくれたのがファンの皆さんだったのかということを感じるから、そういう人たちが今まで作ってくれた雰囲気というのをテレビなりラジオなり、いろんな媒体を通じて届けて、元気を与えられるようなプレーはしたいなという風には思う。
福田:そうですよね。私もやっぱり、去年以上に自分の中でたくさん、練習期間も長かったので、しっかりといいプレーを見せて、少しでも元気づけられるように一生懸命頑張りたいですね。
内川:頑張りたいよね。今年は。頑張る理由がたくさんあるというか。
福田:そうですよね! いつも以上に。
内川:そんな気がするね!
福田:気持ち入りますよね。
内川:でも、まさかあの1月の自主トレの時に僕ら2人がこんな公共の場で話すことになるとは思ってなかったよね(笑)。
福田:いや、本当に。そうですよね!(笑) 私もなんか去年の12月に「はじめまして」という感じでお話していただいたのに、すごい仲良くして下さって、本当にありがとうございます。
内川:いえいえ(笑)。いや、でも、頑張ろうって思える理由ができた、というか。もちろんゴルフはずっと好きだったし、オフの間は本当にゴルフ大好きで。実家に帰っても、正月も、年末年始、大分にいる間はほぼゴルフやっていますってくらいゴルフやってたから。だから本当に応援する人ができてよかった。またテレビ見ると感覚違うし。テレビの画面を通じて、遠くからヤジっとくから(笑)。「すかしてんじゃねーぞー!」って(笑)。
福田:いやいやいや(笑)。私もテレビで内川さんを応援しています。今回、合宿に参加させていただいて、これで結果が出せたら最高だな、と思うので、私もしっかり今年頑張ります!
内川:よろしくお願いしまーす! チーム内川の株を上げてください(笑)。
内川聖一(うちかわ・せいいち)/1982年8月4日生まれ、大分県出身。2000年にドラフト1位で横浜ベイスターズ入団、08年には右打者史上最高打率記録(.378)をマークするなど活躍。10年に福岡ソフトバンクホークスに移籍後も、巧みなバットコントロールを武器に優勝に何度も貢献している。18年5月9日にはNPB史上51人目の通算2000安打を達成、名球会入りを果たした。19年には自身初のゴールデングラブ賞に輝くなど、20年も攻守両面でチームを引っ張る。
福田真未(ふくだ・まみ)/1992年6月15日生まれ、福岡県出身。「全国高等学校ゴルフ選手権大会」連覇、ナショナルチーム入りなどアマチュア時代からその名をとどろかせていた。高校卒業後の2011年にプロテストに合格すると、17年11月の「伊藤園レディス」で初優勝。18年8月の「北海道Meijiカップ」でツアー2勝目を挙げた。19年は優勝こそなかったものの、6年連続のシード入りを果たしており、20年は更なる活躍が期待されている。