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渋野日向子がたどる東京五輪出場から米ツアー参戦というルート “メジャーチャンプ”の期待に応える準備の一年【米ツアーに挑む女たち】

渋野日向子がたどる東京五輪出場から米ツアー参戦というルート “メジャーチャンプ”の期待に応える準備の一年【米ツアーに挑む女たち】

所属 ALBA Net編集部
間宮 輝憲 / Terunori Mamiya

配信日時:2020年2月19日 18時02分

「東京五輪というものが、やはり大きいと思います。畑岡奈紗さんでさえ、参戦一年目はすごく苦労した。今年アメリカにわたって、いい成績はおろか予選落ちが続くようなことになると、せっかく五輪出場の最有力候補という位置まで上がることができたのに、それが水の泡になってしまうという恐怖はあったと思います。なので、今年に限っては仕方がない。タイミングが合わなかったですよね」

“準備不足”で、今年の米参戦を断念した渋野。では、どこをレベルアップすることによって、納得いく形で海を渡ることができるのだろうか。それについて、小田はアプローチ面を挙げる。

「アメリカ参戦となると、いろいろなコース、芝にも対応しなければならない。それも踏まえ日本女子オープンで畑岡さんやユ・ソヨンさんと一緒に回った時に、アプローチの種類がまだまだ足りないことを痛感したのではないかと思います。渋野さんのアプローチを見ていると、たまに『別の攻め方ならば、もっと成功率が上がるはずなんだけどな』と思う時もある。アプローチで“お先に”というよりは、微妙な距離を残しながらパットがうまいからセーブしているという場面も多かったはず。今アメリカに行ったら、“メジャーチャンプ”という期待も受けますし、それに応えられるような準備をしたいと思うのは理解できる部分ですね」

これについては渋野自身も、「アプローチの引き出しを増やしたい」とことあるごとに語ってきた部分だ。“猶予”となるこの1年をフルに生かし、明確な課題とともに小技の強化にも取り組んでいくことになるだろう。ただ、性格面でいうと、渋野はすぐに米ツアーになじむという見方を小田はしている。

「ストイックな部分がありながらも、切り替えがすごく早い選手。全英を見ても、初めての舞台で、あれだけラウンド中に手を振ったり、楽しそうに回っていたのは、私が知るところでは(チョン・)インジさんくらいですね。素直に『すごいなー』と思う部分でした。そして何よりも、渋野さんはそれで得た応援を力に変えることができる。“ファンあってのスポーツ”を体現できる素質がある人。そこはアメリカ向きだと思いますね」

渋野の2020年は国内ツアーを主軸にしながら、スポット参戦で米ツアーや海外メジャーに出場。東京五輪への出場から、さらにその先にある「金メダル」という大目標達成に向け試合を戦っていく。そして秋に行われる米ツアーの予選会(Qスクール)を受験し、来季の出場権を獲得するというのが基本路線となる。

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