スコットランドのダンディにあるマカルパインの実家は「カーヌスティから車でわずか20分の距離。彼がすぐそばにいると感じながら戦うことができました」。メンタルコーチをキャディに携え、心の準備と心の整備を万全にして今大会に臨んだことが、彼女の4年ぶりの復活優勝につながったと言えそうだ。

「ゴルフは、一生懸命に努力しても、そのハードワークが報われるかどうかがわからないゲームです。でも、自分や他選手に起こることや結果をコントロールすることはできない。私にできること、私がやるべきことは、ただベストを尽くすのみです」

ノルドクビストがカーヌスティで披露した4日間のプレーぶり、とりわけ優勝争いの大詰めで見せたプレーぶりは、彼女の言葉通り、周囲の選手たちの動向に気を取られることなく、自分のゴルフに徹し、「ベストを尽くすのみ」だった。

そうやって、フェアウェイを捉え、グリーンを捉え、パーを拾うことに徹していたら、競い合っていた他選手たちが次々にボギーやダブルボギーを喫し、ノルドクビストが押し上げられるように勝者に輝いた。

「人事」ならぬ「ベストを尽くして天命を待つ」――ノルドクビストの勝利は、そんな圧巻の勝ち方だった。

文/舩越園子（ゴルフジャーナリスト）