今大会はコースとの相性もよさそうだ。「Qシリーズ（12月の最終予選会）が行われたロバート・トレント・ジョーンズ・ゴルフ・トレイルもアップダウンが激しかったですが、難しいライからでもチャンスを作っていました。アビアラで大事なのは飛距離よりも精度。ここで頑張ってフルシードにさらに近づいてほしいです」。かつて片平は古江をインビー・パーク（韓国）のようだと形容したが、前回大会の覇者がまさにそのインビー。クレバーなゴルフで米最高の成績をたたき出してほしい。

■タイで自信を掴んだ渋野日向子　昨年からの成長を生かすチャンス

一方、HSBC女子世界選手権が今季のデビュー戦となった渋野に関しては「このオフに取り組んだことが成果として出ていましたね」と片平の目に映った。

「ショートゲームが仕上がってきているなと感じました」。特に目を見張ったのが8位タイに入った「ホンダLPGAタイランド」最終日のチップインイーグル。バンカー越えの難しいアプローチを、クッションを使って転がしカップインさせた場面だ。

「タイトなライからでも、うまくフェースコントロールしてふわっと浮かせて寄せる。これはアメリカで戦うには絶対必要なアプローチです。また、アメリカツアーで単発の試合を戦うだけでは身につかないもの。昨年長期にわたって戦い、練習量をこなして試合で試しながらやって、オフでさらにブラッシュアップした。その成果だと思います。ほかの選手と比較してもすごく進歩が早いと思いますし、ウェッジを4本入れている効果が昨年以上に出てきたと感じました。アメリカの芝でも楽しみです」

8位タイという順位も勢いをさらに加速させる。「渋野さんはフルシードを獲るのが目標だと話しています。そのためにも、まずは最初のリシャッフルまでにしっかりとポイントを稼いでおく必要があります。そこに対してタイで結果が出たことで、自信を持てたのではないでしょうか。攻めるとビッグスコアを出せる選手。コンディションも良さそうなので」とギアはもう一段上がりそうな気配だ。