<クローガー・クイーンシティ選手権 3日目◇9日◇ケンウッドCC(オハイオ州)◇6515ヤード・パー72>
朝から風が吹き、グリーンも乾きパンパンに硬くなったコンディションで、渋野日向子が好プレーを展開した。5バーディ・1ボギーの「68」でトータル5アンダー。前日はホールアウト時点で予選カットライン上にいたが、コースを出たあとに突破が決まり、気持ちも新たに臨んだムービングデーで見事にスコアを伸ばした。
「神様ありがとう(笑)」と祈りが通じつかんだ決勝ラウンドの切符。「なんとかチャンスをもらえて今日を迎えることができた」とスタ-ト。ひとつ間違えば大叩きもありそうな難しいコースでしっかりとスコアを伸ばした。この日は「25」パットとグリーン上の戦いに勝利。硬く速いなか、「うまくタッチを合わせられた」と攻略に成功し、充実感を漂わす。
10番スタートの前半は耐えて16番でようやくバーディ。折り返し直後の1番でボギーを喫し振り出しに戻ったが、4番から4連続バーディ。みるみる順位を上げた。「後半は11パット。最後入れば10パットだったのに」とおどけるほど。その最終9番は右奥2.5メートルからカップに入りかけたボールが嫌われたが、好ラウンドには舌もなめらかだ。
4連続バーディの内訳を見れば10メートル級のロングパットから1メートルにつけるナイスショットで生み出したものも含まれる。さらに、310ヤードの7番パー4ではあと2ヤードでワンオンに成功というドライバーショットも見せ、アプローチを2メートルに寄せてバーディ。「今日いちばんよかった。冷静に打てた」とグリーン近くまで運び、狙いすましたバーディで、ショット向上の実感も湧いてくる。
「いい流れのゴルフができたというのはすごくよかった。いいショットが増えてきているから昨日よりもフェアウェイキープできたし、最後まで冷静にできた」。結果だけでなく内容にも満足の一日に心からの笑みを浮かべる。
一度は諦めかけた予選通過からの生還。そして4アンダーのラウンドと、チャンスをものにできた1日も、残すは18ホール。先週は「67」と「72」を繰り返し、悔しい思いをしたが、今週は流れがいい。「もう1回頑張らないと」と見据えるファイナルラウンド。一時期失いかけた自信を取り戻すために、最終日も結果を出してみせる。(文・高桑均)