長野県出身の山崎は、社会人時代にスキーの指導員の資格を取っているが、これがまた、傾いた『不運』をやや好転させることとなる。
「午後3時くらいになっても全然良くならないので、ふと手で首を触ったら指先に脈を感じなかった。それで『ヤバいこれ心臓やったかな』と思ったんです。スキーの指導員をしていたときに救命救急法で顔面蒼白の人の症状や蘇生法を習っていたので、わかったんです。それで救急車に乗ってすぐ救急隊員に『脈が無いから循環器系の病院に行ってほしい』と告げると、救急隊員も心電図を取って確認し、心臓の手術ができる大きな病院を調べて連絡を入れ、2件目の宇部興産中央病院に搬送されたんです」
山崎の記憶では、ゴルフ場に救急車が到着したのが15時38分、1件目の病院は断られ、2件目の宇部興産中央病院への到着は16時30分だった。ゴルフ場が山の中だった『不運』で病院までの時間を要したが、山崎自身が救命の心得があったために救急隊員の対応への助けになり、到着までの時間のロスを少なくできたという『運』があったのだった。
病院に於いても、時に『運』と『不運』は織を成す。2年前からの新型コロナウィルス感染症の特別措置で、宇部興産中央病院では心筋梗塞のような手術の場合、検査の結果、患者に陽性反応が出た場合は、他の感染者指定病院などに移ってもらうことになる。『運』良く、山崎は陰性だった。
急性心筋梗塞では、詰まった血管に対しカテーテルで治療を行い血管の再開通を施す手術が行われるが、山崎が搬送された宇部興産中央病院で、このカテーテル治療を循環器内科で行う担当医師の濱田頼臣医長は『運悪く』非番であった。その濱田医師はこの日、もしもの時に備えて休日でも遠出をせずに家の近所の公園で子供たちと遊んでいたのだが、そのとき、病院から電話が入った。
「当直の研修医から、胸痛があり急性心筋梗塞らしい人を受け搬送されるんですけれど、という連絡が入り、急遽、病院に向かいました」(濱田医師)
「午後3時くらいになっても全然良くならないので、ふと手で首を触ったら指先に脈を感じなかった。それで『ヤバいこれ心臓やったかな』と思ったんです。スキーの指導員をしていたときに救命救急法で顔面蒼白の人の症状や蘇生法を習っていたので、わかったんです。それで救急車に乗ってすぐ救急隊員に『脈が無いから循環器系の病院に行ってほしい』と告げると、救急隊員も心電図を取って確認し、心臓の手術ができる大きな病院を調べて連絡を入れ、2件目の宇部興産中央病院に搬送されたんです」
山崎の記憶では、ゴルフ場に救急車が到着したのが15時38分、1件目の病院は断られ、2件目の宇部興産中央病院への到着は16時30分だった。ゴルフ場が山の中だった『不運』で病院までの時間を要したが、山崎自身が救命の心得があったために救急隊員の対応への助けになり、到着までの時間のロスを少なくできたという『運』があったのだった。
病院に於いても、時に『運』と『不運』は織を成す。2年前からの新型コロナウィルス感染症の特別措置で、宇部興産中央病院では心筋梗塞のような手術の場合、検査の結果、患者に陽性反応が出た場合は、他の感染者指定病院などに移ってもらうことになる。『運』良く、山崎は陰性だった。
急性心筋梗塞では、詰まった血管に対しカテーテルで治療を行い血管の再開通を施す手術が行われるが、山崎が搬送された宇部興産中央病院で、このカテーテル治療を循環器内科で行う担当医師の濱田頼臣医長は『運悪く』非番であった。その濱田医師はこの日、もしもの時に備えて休日でも遠出をせずに家の近所の公園で子供たちと遊んでいたのだが、そのとき、病院から電話が入った。
「当直の研修医から、胸痛があり急性心筋梗塞らしい人を受け搬送されるんですけれど、という連絡が入り、急遽、病院に向かいました」(濱田医師)