「ここに戻って来れて、とても楽しかった。ところどころで、ライが悪かったり、クラブ選択を誤ったり、スイングが狂ったりしたが、手ごたえも前進も得られた。僕が勝てなかったのはニックが僕よりいいプレーをしたからで、僕の自信は大きく膨らんだ。これからもっともっと優勝のチャンスを作っていきたい。そう思えるモチベーションが得られたことが何よりうれしい」

勝利を逃がしても、これほど満足感を感じていたことは、昨今のミケルソンがどれほど自信を失っていたかを物語っていた。

昨年はこの大会で通算44勝目を挙げたものの、以後は振るわず、20試合に出場して予選落ちが8回。「プレジデンツカップ」出場をキャリアで初めて逃がし、シニア入り目前の年齢を痛感させられた。

自信を失うにつれて、自身の将来をあれこれ思案するのは無理もないと頷ける。つい先日、欧米メディアによって報じられたPGL（プレミア・ゴルフ・リーグ）なる新ツアー構想にミケルソンが大いなる興味を示したこと、長年の「常連」だった「ウェイスト・マネジメント・フェニックス・オープン」を欠場して欧州ツアーの「サウジ国際」に出場したこと、そこでPGL構想の中心人物たちとプロアマを回ったこと。

どれも、自信を失いかけていたミケルソンが新たな救いを求めた結果の行動だったのだと思えてならない。

だが、そのサウジ国際で3位タイに食い込み、すぐ翌週の今大会では優勝争いに絡み、3位になったことで「自信を取り戻した」。そう語ったミケルソンの表情から大きな満足感が伝わってきた。