それでもデシャンボーは初日も2日目も、ラウンド後にギャラリーの少年たちに予備のドライバーヘッドやサインボールを渡し、子どもたちを喜ばせていた。

デシャンボーが一番望んでいるのは、勝利を掴み取るゴルフを披露して、子どもたちに笑顔をもたらすこと。そのためには、まず身の回りとメンタル面を落ち着かせ、安定させた上で、チャレンジングな彼のゴルフに挑むことが必要なのではないだろうか。

取材拒否は、それが彼のメンタル面の改善に必要なのであれば、しばらくはそのままでも構わないのではないかと私は思う。

言葉で語らずとも、彼のゴルフがいろんなことを語り、魅せるゴルフだって十分にできている。これから始まる最終戦のツアー選手権が終わったとき、彼が笑顔で語ることを願うばかりだ。

文/舩越園子（ゴルフジャーナリスト）