経済的に少々無理をしても、あえて住む家をアップグレードしたことは、彼なりに「自己投資」なのだそうだ。

その豪邸は家賃がとても高いため、今は友人たちとシェアしているが、いつかは、この家を一人で楽に借りられる選手になろう、この家を買えるように賞金を稼ごう、この家に住むにふさわしいプロゴルファーになろう。「そうなれる」「そうなるんだ」と自分に言い聞かせることで、自分自身をアップグレードさせていく。そのための自己投資なのだとマクニーリーは語っていた。

その効果が表れたからこそ、マクニーリーは今大会で首位を走ることができていたのだろう。しかし、プレッシャーがかかった場面で彼の心は揺れ動き、スコアを落とした。

前半で3つスコアを伸ばし、後半も12番のイーグル、13番のバーディ、そして16番、17番で連続バーディを奪ったホーマの猛チャージに、マクニーリーは動揺し、17番はミスを連発してダブルボギーを喫した。このたった1ホールが彼の初優勝を幻と化した。

とはいえ、ホーマだって、これまでは心の動揺からおかした痛恨のミスを嫌というほど経験してきた選手だ。カリフォルニアで生まれ育ち、輝かしいジュニア時代、アマチュア時代を経て、大学は名門カリフォルニア大学バークレー校。そして2014年に米ツアーに辿り着いたが、なかなか好成績が出せず、下部ツアーへ逆戻りしたこともあった。

だが、2018年に米ツアーに返り咲き、2019年にウエルスファーゴ選手権で初優勝。そして今年2月のジェネシス招待でトニー・フィナウとのプレーオフを制し、通算2勝目を挙げた。