そのときだって、決してすんなりと勝てたわけではなかった。72ホール目で短いバーディパットを沈め切れず、自らプレーオフにもつれ込ませてしまった。

しかし、その動揺を乗り越えてプレーオフを制した経験を今大会では生かすことができた。だからこそ、最終日に快進撃を披露することができ、逆転勝利を挙げることができたのだ。

ジェネシス招待も今大会も「キャディに助けられた」とホーマは感謝している。バッグを担ぐジョー・グレイナーとは、6歳のときに出会って以来、四半世紀にわたる付き合いで気心は知れている。

「ジョーのグリーンの読みやアドバイスは天才的だ。僕が戦えるのは、彼のおかげだ」

17番のダブルボギーで優勝争いから脱落したマクニーリーの心のダメージは痛々しかった。しかし、優勝したホーマとて、つい最近、傷心の出来事を経験したばかりだった。昨季の最終戦、ツアー選手権への進出を逃がし、ライダーカップの代表選手にも選ばれなかった。

「ツアー選手権もライダーカップも、とても残念で傷ついたけど、2週間のオフの間に、また頑張ろうという気持ちを抱き、悔しさがモチベーションになった」