マキロイのニュースとほぼ同じタイミングで、タイガー・ウッズが2月の交通事故以来、球を打つ様子を収めたスイング動画がツイッターで初めて公開され、ファンや関係者を歓喜させた。

「前進している（Making progress）」

ツイートには、そんなフレーズが添えられていた。命さえ危ぶまれたあの交通事故から1年も経たないうちに、ウッズがしっかり球を打ち始めたことは、まさに大きな前進だ。

そして米ツアーでは新たなチャンピオンが誕生した。今週のザ・RSMクラシックは、米ツアーの今年最後の公式大会。最終日を単独首位で迎えた30歳の米国人、テイラー・グーチは、ほぼ毎ホール、グリーンを捉え、おもしろいようにパットを沈め、安定したプレーぶりで64をマーク。2位に3打差をつけ、悲願の米ツアー初優勝を挙げた。

2021-22年シーズンが始まってからというもの、グーチはトップ10前後の好成績を続け、ぐんぐん調子を上げていた。彼のコーチは「ここ数カ月、テイラーよりいいスイングをする選手を見たことがない」と語り、グーチのキャディも「近いうちに何かいいことがきっと起こると思っていた」。

グーチ自身も「何かが変わって、回り始めた」と感じていたそうだが、突然、回り始めたというよりは、長年の努力と経験の積み重ねがようやく開花し始めたということなのだろう。グーチを発奮させていたのは、負けん気と意地とプライドだった。