「だって、僕の新たなボスがタイガー・ウッズになるんだぞ」

喜び勇んでウッズのオファーを受け入れたラカバは、2011年からウッズ専属のキャディになり、以後、本当に文字通り「どんなときも」ウッズに寄り添ってきた。

2014年からウッズは腰の手術と戦線離脱を合計4度も繰り返し、2016年と2017年は、ほぼ1年中、欠場を余儀なくされた。

ウッズが痛み止めの薬の影響下で車を運転し、逮捕されたときは「もはやタイガーは社会人としてもオシマイ」と見られたこともあったが、そんなときも、どんなときも、ラカバは決してウッズから離れず、他選手に鞍替えする様子を周囲に見せたことは、ただの一度もなかった。

世界を震撼させた今年2月の交通事故直後。緊急搬送され、緊急手術を受けたウッズと最初に面会したのは、ウッズの恋人エリカ・ハーマンさんとラカバの2人だけだった。

そのとき生々しい惨状を間近に目にしたラカバは、ウッズの復活を信じる一方で、それがいかに大変なことであるかを誰よりも痛感させられた。だからこそ、今年のPNCチャンピオンシップに出場することは「蓋を開けてみるまでは、タイガーの心身が持ちこたえられるかどうか、まったくわからない状況だった」と、気を揉み続けていた。