今度は逆に時間の経過順に眺めてみると、この大会が「サンダーバード・インビテーショナル」として創設されたのは1954年のこと。以後、「パームスプリングス・ゴルフ・クラシック」、「ボブ・ホープ・デザート・クラシック」、「ボブ・ホープ・クライスラー・クラシック」と名前を変えながら、ハリウッドやスポーツ界のセレブリティたちを集め、プロアマ形式で行なわれてきた。半世紀以上もの長きにわたり、パームスプリングスのゴルフの祭典として親しまれる大会だ。
しかし、時代の流れと諸事情が重なり合い、とりわけリーマンショック後は次第に存続の危機へ陥った。だが、米ゴルフ界の伝統ある大会をなんとかして守ろうとする人物や企業がちゃんと出現するところが、「さすが、アメリカ」だ。
12年からは従来の5日間競技を4日間競技へと凝縮した上で、ヒューマナやキャリア・ビルダーが次々にタイトル・スポンサーとなり、元大統領ビル・クリントンの財団と手を取りながら、この大会を救った。19年はワークデーが大会スポンサーとしてサポートした。そして、20年からタイトル・スポンサーを引き継いだアメリカン・エキスプレスは、今、フィル・ミケルソンの財団と手を取り合って大会を支えている。
ミケルソンは同じカリフォルニア州の出身であり、今大会の02年と04年の覇者でもある。「故郷に近いこの場所に恩返しがしたい」と願うミケルソンと彼の財団は、同社と協力し、すでに大会収益から210万ドル(約2億3900万円)をパームスプリングスの地域社会へ寄付している。
そうやって、企業や篤志家、選手、地域社会がみんなで手を取り合うことで、社会や人々の生活を潤わせ、その結果、社会や人々によってツアーや大会が救われ、存続し、拡大もする。そういう構図がしっかり成り立ち、崩れないよう、みんなが努力している。だからこそ、米ツアーとこの大会は拡大成長を続けることができているというわけだ。
一時は存続の危機に瀕しながらも、今大会はスポンサー企業やクリントン財団、ミケルソン財団などの協力を得て、結局、ずっと右肩上がりの成長を続け、今年は賞金総額760万ドル、優勝賞金136万8000ドルとビッグになった。こうした米ゴルフ界の事例がそのまま日本に当てはまるわけではないだろうが、日本のゴルフの未来を考える際は、この大会の歩みを是非とも参考にしてほしい。
しかし、時代の流れと諸事情が重なり合い、とりわけリーマンショック後は次第に存続の危機へ陥った。だが、米ゴルフ界の伝統ある大会をなんとかして守ろうとする人物や企業がちゃんと出現するところが、「さすが、アメリカ」だ。
12年からは従来の5日間競技を4日間競技へと凝縮した上で、ヒューマナやキャリア・ビルダーが次々にタイトル・スポンサーとなり、元大統領ビル・クリントンの財団と手を取りながら、この大会を救った。19年はワークデーが大会スポンサーとしてサポートした。そして、20年からタイトル・スポンサーを引き継いだアメリカン・エキスプレスは、今、フィル・ミケルソンの財団と手を取り合って大会を支えている。
ミケルソンは同じカリフォルニア州の出身であり、今大会の02年と04年の覇者でもある。「故郷に近いこの場所に恩返しがしたい」と願うミケルソンと彼の財団は、同社と協力し、すでに大会収益から210万ドル(約2億3900万円)をパームスプリングスの地域社会へ寄付している。
そうやって、企業や篤志家、選手、地域社会がみんなで手を取り合うことで、社会や人々の生活を潤わせ、その結果、社会や人々によってツアーや大会が救われ、存続し、拡大もする。そういう構図がしっかり成り立ち、崩れないよう、みんなが努力している。だからこそ、米ツアーとこの大会は拡大成長を続けることができているというわけだ。
一時は存続の危機に瀕しながらも、今大会はスポンサー企業やクリントン財団、ミケルソン財団などの協力を得て、結局、ずっと右肩上がりの成長を続け、今年は賞金総額760万ドル、優勝賞金136万8000ドルとビッグになった。こうした米ゴルフ界の事例がそのまま日本に当てはまるわけではないだろうが、日本のゴルフの未来を考える際は、この大会の歩みを是非とも参考にしてほしい。