「メジャー大会の難コースでは何が起こるかわからない。自分を信じ、ひたすらパーを目指しながら我慢のゴルフを続けた」

傍から見れば、米ツアー未勝利でメジャー未勝利の選手たちと、すでにメジャー1勝、通算14勝の実績を持っていたトーマスとの間には、緊張の度合いや経験値に大きな差があるように思える。

だが、トーマス自身は「僕だって1年以上、勝利から遠ざかっていた。だから今日、とてもナーバスだったという点では僕もみんなと同じだった。ネガティブになりがちなところを、キャディのボーンズが助けてくれて、感謝の気持ちでいっぱいだ」。

謙虚な姿勢、感謝の念が、トーマスをチャンピオンへ導いたのではないだろうか。

2位に3打差の単独首位でスタートしながら、最終ホールのティショットをハザードに入れ、ダブルボギーで勝利のチャンスを逃したペレイラは「心では大丈夫だと思っても、体はやっぱりプレッシャーを受けていたのかな。あはははは」と笑顔で振り返った。

メジャー大会で5度目の惜敗を喫したザラトリスは、ウイニングパットを沈めたトーマスに、悔しさを噛み締めながらもグリーン上で微笑みながら拍手を贈っていた。