痛みが肘や手首まで広がった初日には棄権を考えた瞬間もあった。痛みをこらえ、たった一人の寂しいラウンドと最下位の屈辱に耐え、それでも棄権しかなかった背景には、ファンの期待に応えたいという彼のプロ意識。
「昔、自分が若かったころは、自分のためにだけゴルフをしていれば良かった。でも年を取るにつれて、周りのサポートがあるからこそ自分が頑張れるということに気付いた。最近は同世代から『頑張れ』って言われるので、歩みを止めるわけにはいかないなと思う。自分がいいプレーを見せたとき、ファンが喜ぶ顔を見たいという気持ちが強くなる」
そんな藤田の謙虚な姿勢が熱狂ファンを引き付ける。それが彼の根強い人気の秘密なのだろう。彼の人柄を知れば知るほど、同じ日本人として「頑張れ」と言いたくなる。
ただし、それは藤田の事情を事細かに見知ることができる同じ日本人だからこその話であることも事実だ。試合に出れば、やっぱり選手は結果を出してこそナンボだ。前述の米国人記者のように、世界の人々は選手の事情ではなく結果を眺める。「事情」は知る人ぞ知るものだけれど、「結果」は誰の目にも見えてしまう。もちろん、それを一番痛感していたのは、寂しい一人旅を強いられた藤田自身だった。
「練習してないと、こんなになっちゃう。ここまで(自分がいいゴルフを)できなかったのは寂しい。(試合に出れば、どうしても)結果は出てしまう」
望むらくは、日本人選手の事情を何も知らない世界の人々が、世界の舞台で日本人選手のパフォーマンスと結果だけを眺めて「すごいね」と言う状況を、日本の選手はもとより、関係者もメディアもみんなで、それこそゴルフ界全体が総力を上げて、もっと整え、作っていかなければいけない。そうでなければ、日本のゴルフ界は縮んでいくばかりだ。
「昔、自分が若かったころは、自分のためにだけゴルフをしていれば良かった。でも年を取るにつれて、周りのサポートがあるからこそ自分が頑張れるということに気付いた。最近は同世代から『頑張れ』って言われるので、歩みを止めるわけにはいかないなと思う。自分がいいプレーを見せたとき、ファンが喜ぶ顔を見たいという気持ちが強くなる」
そんな藤田の謙虚な姿勢が熱狂ファンを引き付ける。それが彼の根強い人気の秘密なのだろう。彼の人柄を知れば知るほど、同じ日本人として「頑張れ」と言いたくなる。
ただし、それは藤田の事情を事細かに見知ることができる同じ日本人だからこその話であることも事実だ。試合に出れば、やっぱり選手は結果を出してこそナンボだ。前述の米国人記者のように、世界の人々は選手の事情ではなく結果を眺める。「事情」は知る人ぞ知るものだけれど、「結果」は誰の目にも見えてしまう。もちろん、それを一番痛感していたのは、寂しい一人旅を強いられた藤田自身だった。
「練習してないと、こんなになっちゃう。ここまで(自分がいいゴルフを)できなかったのは寂しい。(試合に出れば、どうしても)結果は出てしまう」
望むらくは、日本人選手の事情を何も知らない世界の人々が、世界の舞台で日本人選手のパフォーマンスと結果だけを眺めて「すごいね」と言う状況を、日本の選手はもとより、関係者もメディアもみんなで、それこそゴルフ界全体が総力を上げて、もっと整え、作っていかなければいけない。そうでなければ、日本のゴルフ界は縮んでいくばかりだ。