ファウラーも松山同様、そこに共通点を感じていたに違いない。どちらも20代、どちらも期待の若手。そんな2人が、お互いに共感し合い、良き友、良きライバルであることに何ら不思議はない。だが、惜敗した直後のファウラーが、悔しさの中で、わざわざ松山に「次なる勝負を楽しみにしているぜ」と声をかけたワケは、それだけではなかったのだと思う。
最終日の終盤、TPCスコッツデールを埋め尽くした16万人の大観衆は明らかにファウラーの勝利を望んでいた。短いパー4の17番。池に落としたファウラーがボギーを喫した姿を傍目に、松山は「びっくりしたけど、まだチャンスはあると切り替えた。救われた」。松山はすかさずバーディを奪い、2人は首位に並んだ。
すると、その直後からリッキーを激励する声援はあからさまに拡大した。ギャラリースタンドからも、ホール添いの芝の上からも、リッキーコールのみならず、「USA、USA」の連呼まで始まった。
「あの状況は、99%、僕(の応援)じゃないと思ったけど、逆にその中で勝ってやると思って頑張った」
周囲はみんな敵だらけ。四面楚歌。その中で勝つためには、どれほどの精神力が求められるのか。どれほど大変なことなのか。それを身を持って知り、それを乗り越えて強くなった自負があるファウラーだからこそ、彼はこの日の松山に強い共感を覚えたのだと思う。
そう、ファウラーは2008年の秋、米ツアーに推薦出場した途端に優勝争いを演じ、初優勝は時間の問題と期待されながら、勝てそうで勝てない日々を3年以上も過ごした。
最終日の終盤、TPCスコッツデールを埋め尽くした16万人の大観衆は明らかにファウラーの勝利を望んでいた。短いパー4の17番。池に落としたファウラーがボギーを喫した姿を傍目に、松山は「びっくりしたけど、まだチャンスはあると切り替えた。救われた」。松山はすかさずバーディを奪い、2人は首位に並んだ。
すると、その直後からリッキーを激励する声援はあからさまに拡大した。ギャラリースタンドからも、ホール添いの芝の上からも、リッキーコールのみならず、「USA、USA」の連呼まで始まった。
「あの状況は、99%、僕(の応援)じゃないと思ったけど、逆にその中で勝ってやると思って頑張った」
周囲はみんな敵だらけ。四面楚歌。その中で勝つためには、どれほどの精神力が求められるのか。どれほど大変なことなのか。それを身を持って知り、それを乗り越えて強くなった自負があるファウラーだからこそ、彼はこの日の松山に強い共感を覚えたのだと思う。
そう、ファウラーは2008年の秋、米ツアーに推薦出場した途端に優勝争いを演じ、初優勝は時間の問題と期待されながら、勝てそうで勝てない日々を3年以上も過ごした。