<マスターズ 2日目◇8日◇オーガスタナショナル・ゴルフクラブ(7,435ヤード・パー72)>
18番グリーンサイドに赤いジャケットをまとった1人の男性が立った。
フォトギャラリーで予選2日間を振り返る
手にした紙に目を落としながら、「1977年、81年マスターズ、82年USオープン…」。今大会を最後に「マスターズ」を引退するトム・ワトソン(米国)の輝かしい記録を次々と読み上げていく。だが、その声は新帝王がグリーンに到達する遥か前に始まったスタンディングオベーションにかき消されて、いつしか聞こえなくなった。
1977年、1981年と2度の優勝を誇る43回目のマスターズ。新帝王はオーガスタでの戦いを、穏やかな笑顔と少しの涙の中で終えた。最終18番ホール。オナーでティショットを放ったワトソンは、2打目地点に来てもオナーのままだった。「それが私が引退を決めた理由だ。若い選手たちは7番、8番アイアンで打つのに、私はずっと後ろからウッドを打つ。ここはもう私の戦う場所ではなくなった」。
ウッドで放ったワトソンのボールは手前11ヤードに切られたピンに止まるはずもない。だが、ピン奥20メートルからのファーストパットは左側の傾斜を使って50センチに寄せて見せた。両手を広げて悔しがる66歳。最後のマスターズをトータル8オーバーで締めくくった。
18番グリーンサイドに赤いジャケットをまとった1人の男性が立った。
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手にした紙に目を落としながら、「1977年、81年マスターズ、82年USオープン…」。今大会を最後に「マスターズ」を引退するトム・ワトソン(米国)の輝かしい記録を次々と読み上げていく。だが、その声は新帝王がグリーンに到達する遥か前に始まったスタンディングオベーションにかき消されて、いつしか聞こえなくなった。
1977年、1981年と2度の優勝を誇る43回目のマスターズ。新帝王はオーガスタでの戦いを、穏やかな笑顔と少しの涙の中で終えた。最終18番ホール。オナーでティショットを放ったワトソンは、2打目地点に来てもオナーのままだった。「それが私が引退を決めた理由だ。若い選手たちは7番、8番アイアンで打つのに、私はずっと後ろからウッドを打つ。ここはもう私の戦う場所ではなくなった」。
ウッドで放ったワトソンのボールは手前11ヤードに切られたピンに止まるはずもない。だが、ピン奥20メートルからのファーストパットは左側の傾斜を使って50センチに寄せて見せた。両手を広げて悔しがる66歳。最後のマスターズをトータル8オーバーで締めくくった。