だが、それ以上に「すごい」のは、松山が10年超の長きにわたってPGAツアーに生き残っているという彼のサバイバル性だ。
日本人選手がPGAツアーに長期で生き残った過去の例は、尾崎直道と丸山茂樹の2例しかない。1990年代のはじめごろからPGAツアーにスポットで出始めた尾崎は、01年までほぼ10年間を米国で過ごし、現地に腰を据えて本格参戦する日本人男子選手の草分けとなった。だが、日本と日本食を恋しがっていた彼は、いつも、とても辛そうだった。そして勝利を挙げられないまま、米国から去っていった。
00年からPGAツアーに本格参戦した丸山は、01年から毎年1勝を挙げ、通算3勝のトッププレーヤーになった。その後も「直道さんを目標に、10年ここで頑張る」が口癖だった。しかし、小柄な丸山は、欧米人選手たちとの飛距離差に苦しみ、首痛などの故障にも泣かされ、09年頃からは出場試合数が激減。フェードアウトする形でPGAツアーから去っていった。
そんなふうに、精神的に辛そうだった尾崎、体格や飛距離、故障に苦しんだ丸山が、どちらもPGAツアーで「ほぼ10年」を過ごしたものの、最後は力尽きた様子で日本へ戻ったことを思うと、松山が本格参戦11年目にして、いまなお「初」や「新」を達成し、フェデックスカップ9位、世界ランキング7位でレギュラーシーズンを終えたことは、とんでもなく「長生き」で、そして「すごい」ことだと、あらためて驚かされる。
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米11年目は日本人選手「最長寿」 “初”や“新”を追いかける、松山英樹のすごさ【舩越園子コラム】
松山英樹の11年目シーズンを振り返る。
所属 ライター
舩越 園子 / Sonoko Funakoshi
配信日時:2024年9月9日 03時00分
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