国内女子下部のステップ・アップ・ツアーで、2010年からスポンサーを務めてきたカストロール株式会社。「カストロールレディース」は古参大会のひとつとして親しまれ、今年15回目の開催を終えたばかりだ。下部ツアーではあるものの、ツアーを盛り上げてきたその熱い思いは計り知れない。カストロール株式会社の小石孝之会長に話を聞いた。
■いまでは下部ツアーの顔役、小石会長がゴルフを始めたきっかけ
カストロールレディースが始まった2010年、ステップ・アップ・ツアーの年間試合数はわずか5試合だった。それが年々増加し、今年は21試合が予定されている。ある大会で女子プロの佐藤靖子と知り合ったことがツアー参入のきっかけになった。そしてそれは、15年間も続く歴史ある大会になった。
小石会長がゴルフを始めたのは37歳のとき。きっかけはなんだったのだろうか。
「別の会社で営業本部長をやっていたんですが、前任者がゴルフが上手な人だった。コンペにどうしてもと誘われて、130くらい打ったんです。そしたら『前の本部長の方がうまかったね』と陰で言われているのを聞いて、なんだ! と。そこから独学で3年でシングルになりました」
このような“よくある”きっかけからクラブを握ったアマチュアゴルファーが、ゴルフを楽しみ、女子プロゴルフ界を知ることによって、15年前から共催として国内女子ツアーを支えてきた。そして大会の冠を務めるだけではなく、「たとえ少ない額でも選手を応援したい」という思いから、選手のサポートもしてきている。
もちろん、いちアマチュアゴルファーとしても日々、ゴルフを楽しんでいる。毎年、企業対抗ゴルフトーナメントに出場し、全国大会にも進出するほどの腕の持ち主。とはいえ、最近はというと「ヒザの調子が良くなくて、今シーズンはスコアがあまり…(笑)」。柔和な笑顔で気さくに話す様子からも、女子プロゴルファーから愛される理由が見て取れる。
■ゴルフとビジネス
ゴルフとビジネスは通ずるところがある、と小石会長は言う。
「リスクを回避することがゴルフだと思っています。林に入って8割出せるなら行ってみよう、と思うけれど、1割しか可能性がなかったら回避しないといけない。マネジメントや先をどう読むか。ビジネスも同じで、そういうリスクを回避しながらどうやってプラスに持っていけるかというところが、ゴルフが一番近いと感じています」
ゴルフは個人スポーツ。リスク回避だけではなく、自分の長所を生かす能力や、苦手なところをカバーする能力など、ゴルフには様々な力が必要だと、小石会長は考えている。