■スイング時の意識が上半身から下半身へ
久しぶりに優勝カップを掲げた渋野の姿をみて辻村氏は、同じフィールドで苦悩する姿も見てきただけに、まず「うれしかった」という感情が湧きあがったという。と同時に「チャンスが来た時に勝てる度胸」に驚かされた。「15番でボギーを叩いたあとの16番でチップインを決められるメンタルや、プレーオフでもスーパーショットを打ち続けられる度胸。勝ち切る強さがあるなと改めて感じました」。では、その“勝ち切る”ための基盤はどうだったのか? 技術面でも進化の跡がうかがえた。
今大会、渋野の計測ホールでの平均飛距離は259.667ヤード。これは1位だったアマチュア佐藤心結(さとう・みゆ、260.000ヤード)に次ぐ全体2位という結果だ。辻村氏は「スイング改造といわれてきましたが、少しずつよくなっている。一時はタイミングを見失って、しっかり芯にコンタクトしていない時期もあったと思う。今はボールを強くしっかり叩けていますね」。ちなみに、スイング改造着手からまだ間もない今年3月の「アクサレディス」で記録した渋野の飛距離は236.833ヤード。もちろんコンディションの差などもあるが、その差は歴然だ。
渋野自身は「スイング時の怖さが少なくなり、振り切れるようになった」と、飛距離が戻った理由について話していたが、辻村氏はこう補足する。
「もともとヘッドの入り方を浅くするため、インパクトから逆算したうえでのスイング改造だったと思う。最初はそこを意識しすぎていた感じもしましたが、今はナチュラル。悪い時はどうしても、気持ち的も技術的にも“つまり”が生じてしまう。しかし今はインパクトの後、しっかりクラブが抜けるようになっています。ここは春先とは全然違う部分ですね。また、最近はあまり上体の動きを気にしてないように見える。以前は手からスイングのイメージを作っていたように見えましたが、今は足の使い方を工夫して、下半身でクラブをコントロールしています」
この下半身という部分で目に入るのは、特に『骨盤』、『股関節』、『重心』。ここへの意識に、好調の要因を見出す。「一度アドレスに入った後、股関節を右・左と入れ替えながら、骨盤を深く沈めてトップを作れています」。しっかりと下半身を使うという意識は、渋野と最後まで優勝を争ったアマチュアの佐藤にも共通する部分だと辻村氏は説明する。
久しぶりに優勝カップを掲げた渋野の姿をみて辻村氏は、同じフィールドで苦悩する姿も見てきただけに、まず「うれしかった」という感情が湧きあがったという。と同時に「チャンスが来た時に勝てる度胸」に驚かされた。「15番でボギーを叩いたあとの16番でチップインを決められるメンタルや、プレーオフでもスーパーショットを打ち続けられる度胸。勝ち切る強さがあるなと改めて感じました」。では、その“勝ち切る”ための基盤はどうだったのか? 技術面でも進化の跡がうかがえた。
今大会、渋野の計測ホールでの平均飛距離は259.667ヤード。これは1位だったアマチュア佐藤心結(さとう・みゆ、260.000ヤード)に次ぐ全体2位という結果だ。辻村氏は「スイング改造といわれてきましたが、少しずつよくなっている。一時はタイミングを見失って、しっかり芯にコンタクトしていない時期もあったと思う。今はボールを強くしっかり叩けていますね」。ちなみに、スイング改造着手からまだ間もない今年3月の「アクサレディス」で記録した渋野の飛距離は236.833ヤード。もちろんコンディションの差などもあるが、その差は歴然だ。
渋野自身は「スイング時の怖さが少なくなり、振り切れるようになった」と、飛距離が戻った理由について話していたが、辻村氏はこう補足する。
「もともとヘッドの入り方を浅くするため、インパクトから逆算したうえでのスイング改造だったと思う。最初はそこを意識しすぎていた感じもしましたが、今はナチュラル。悪い時はどうしても、気持ち的も技術的にも“つまり”が生じてしまう。しかし今はインパクトの後、しっかりクラブが抜けるようになっています。ここは春先とは全然違う部分ですね。また、最近はあまり上体の動きを気にしてないように見える。以前は手からスイングのイメージを作っていたように見えましたが、今は足の使い方を工夫して、下半身でクラブをコントロールしています」
この下半身という部分で目に入るのは、特に『骨盤』、『股関節』、『重心』。ここへの意識に、好調の要因を見出す。「一度アドレスに入った後、股関節を右・左と入れ替えながら、骨盤を深く沈めてトップを作れています」。しっかりと下半身を使うという意識は、渋野と最後まで優勝を争ったアマチュアの佐藤にも共通する部分だと辻村氏は説明する。