そんなミケルソンだからこそ、人間臭くて、愛らしくて、ファンは彼が大好きなのだ。だからこそ、たった2人だけの2ホールだけのマンデーフィニッシュを見るために、月曜日の朝から大勢のファンが集まったのだ。
日曜日から月曜日にかけて“いろいろあった”優勝争いだったが、勝利の直後に明かした話も「これぞ、ミケルソン」だった。
ミケルソンはポケットの中からシルバーの1ドルコインを取り出し、家族の秘話を語り始めた。その昔、彼の母方の祖父は「家計を助けるために小学4年生から働きに出た」。祖父はポケットの中にいつも1ドルコインを1つだけ忍ばせ、「ポケットに入れた手がコインに触れるたびに、お金はある、貧しくなんてないんだと思うことができた」。
ゴルファーになるきっかけを作ってくれた祖父の人生と想いを一緒に抱き、勝利を渇望していたミケルソン。感情的になる面があり、視野が狭まることも判断を誤ることもあり、臆面もなくお調子者ぶりを披露することもあるのだが、いつだって彼は正直で真摯(しんし)。だからこそ、「やっぱりナイスガイだよね」とみんなが思う。
これぞ、フィル・ミケルソン――彼が20数年間、国民的スターであり続けている所以である。
文・舩越園子(ゴルフジャーナリスト)
日曜日から月曜日にかけて“いろいろあった”優勝争いだったが、勝利の直後に明かした話も「これぞ、ミケルソン」だった。
ミケルソンはポケットの中からシルバーの1ドルコインを取り出し、家族の秘話を語り始めた。その昔、彼の母方の祖父は「家計を助けるために小学4年生から働きに出た」。祖父はポケットの中にいつも1ドルコインを1つだけ忍ばせ、「ポケットに入れた手がコインに触れるたびに、お金はある、貧しくなんてないんだと思うことができた」。
ゴルファーになるきっかけを作ってくれた祖父の人生と想いを一緒に抱き、勝利を渇望していたミケルソン。感情的になる面があり、視野が狭まることも判断を誤ることもあり、臆面もなくお調子者ぶりを披露することもあるのだが、いつだって彼は正直で真摯(しんし)。だからこそ、「やっぱりナイスガイだよね」とみんなが思う。
これぞ、フィル・ミケルソン――彼が20数年間、国民的スターであり続けている所以である。
文・舩越園子(ゴルフジャーナリスト)