「大会ウィークを迎えるまでは、タイガーのショットを実際に見たことがなく、コースで会ってからも、タイガーはショットするたびに明らかに痛そうで、かなり無理をしていることが見て取れた」

初日のティオフを迎えるまで、ラカバはそんなウッズのことが心配でたまらず、そのせいでラカバの表情は終始、こわばっていた。

「でも、いざティオフしたら、タイガーは僕が思っていた以上にスムーズにスイングし、グッド・ショット、グッド・パットを見せてくれた。そうやって、僕が胸の中に抱いていたネガティブを全部ポジティブに変えてくれた。僕の顔を笑顔にしてくれた」

そう振り返ったラカバの表情は、とても明るく、安堵に満ちていた。

ラカバにとって今年のPNCチャンピオンシップは、久しぶりに経験したスリル満点、興奮しきりのエキサイティングな大会となり、だからこそ、大会終了後に感じていた満足感や達成感も大きなものだったのだろう。

「このスリル、この興奮を、1年に1度以上、味わいたいな」。ふと漏らしたその一言に、ラカバの正直な想いのすべてが集約されていた。