2019年に始まった米国男子ツアー「ZOZOチャンピオンシップ」は、今年で5回目の開催となる。唯一日本を舞台にした同大会は『これがゴルフだ。』をテーマに大いに盛り上がること間違いなし。さらに楽しむために、ここで過去4試合を振り返る。
■第1回大会はタイガー・ウッズの通算82勝目で幕開け
第1回大会は、タイガー・ウッズ(米国)と松山英樹の手に汗握る接戦となった。台風21号の影響で2日目が中止となり、10月26日(土)に第2ラウンドの18ホールをプレー。27日(日)の大会4日目は午前6時30分から第1組がティオフし、第3ラウンドを終えた組から順に、時間の許す限り最終ラウンドをプレーするというハードなスケジュールとなった。
最終組にいたタイガー・ウッズはホールアウトしきれず、28日(月)に残りの7ホールを戦うことに。ウッズがトータル18アンダー・単独首位、松山は3打差2位につけていた。12番パー4からスタートしたウッズはボギー発進。前組にいた松山英樹はパー発進とし2打差に縮まるも、14番パー5でバーディパットを沈めたウッズが再び3打差に引き離す。その後、16番パー3で松山がバーディを奪い再び2打差につめる。
そんな接戦を繰り返し、2打差で迎えた最終18番パー5。ここで松山がイーグルを獲れば、逆転優勝かプレーオフの可能性も十分残されていた。しかし、ティショットは右のバンカー、セカンドショットもグリーン横のバンカーへ。3打目のバンカーショットはピンを大きくオーバー。10メートルのファーストパットをOK位置につけるも、3オン2パットのパーで2打差を縮めることはできずにフィニッシュ。
松山のOKパットに対してグリーン上から上がる歓声はセカンド地点で待つウッズの耳にも届いており、「状況を読み違えていた。ヒデキの良いショットを見て、18番でパーを獲らなくてはと思っていた」と、ウッズ。フェアウェイからウッズが放った2打目はグリーン右手前のバンカーへ。そこから手前約3メートルにつけ、グリーンに上がるときには、ウッズの勝利を確信したファンの歓声に包まれる。ウィニングパットを沈めてバーディを奪いトータル19アンダー、最終ホールで3打差に戻し43歳(当時)で通算82勝目を手に入れる。
そんな第1回大会は日本の松山英樹と世界的スターの激闘となり、歴史に残る1試合となった。